なぜ歌うのか。


日ごろから歌を歌っていますが、なぜ自分は歌うのか?
こんな基本的なこともはっきりしていないのはいやなのでちょいと考えてみます。
どうかお付き合いください。

日常生活を振り返ってみると、自分はなんと自己アピールができていないのかと思わされます。
それはそれで頑張らなきゃならないのですが、いくらかの時間をもらって自分を表現できる機会ってあんまり多くはないと思います。
そういう機会っていうのは準備やらなにやらいろいろ忙しいですが、なんかわくわくする。
例えばゼミや学会の発表、プレゼンをする時、「自分はこういうことしました。」、「私はこう思います。」と言えることが嬉しいのです。
恐らく人間は何か自分を表現したくてたまらない生き物なのでしょう。
そんな人間にとって日常生活はインプットが多くて、アウトプットが少なすぎる。

そこで、歌うわけですが、歌っている間は、自分には自分を表現する自由が与えられている。
自分の気持ちに合わせて自由に曲を選んで、曲に乗せて自分をアウトプットできる。
だからおじさんはカラオケでマイウェイを歌ってしまうのでしょう。

という当たり前の結論になりそうですが、私たちはカラオケをしているわけではありません。
誰かが聞いてくれなければ、自分を表現する意味はありません。
それではお客さんに対して歌うってどういうことなのか。

お客さんは何を見たら喜ぶのか、それは常に考えているのですが、お客さんの好みは千差万別。全員を満足させることはほんとに難しい。
それでは自分たちができることは何かというと、「真剣にやること」しかないと思うのです。
甲子園の見所は高校球児の真剣さ。見ているほうをすがすがしくさせます。
いいパフォーマンスとは突き詰めれば本気でやっているかということだと思います。
楽しむのだって真剣にやらなければできません。
どんなに歌がうまくても、真剣さが伝わらなければつまらない。逆にへたくそでも、真剣さが伝われば相手の心を打つ可能性がある。

ということで、なぜ歌うのか。
自分を真剣に表現するためです。
「今日の自分はこんな感じ… 皆さんいかがですか?」という発信。
その結果、拍手がもらえるか野次が飛んでくるか分かりませんが、なにか表現できた時点で既にいい気分です。

歌や楽器をやっている人、みなさんはどんな気持ちで人前にでますか?