ならず者

平井堅に泣かされました。
うまいんだもの。
Desperado ならず者のカバーですが、
あんな深くて太いファルセットでなめらかに歌われちゃあかないません。
もちろん原曲のよさもあるんだけど。


そもそも、Desperadoってどんな歌かと考えると、
じつはかなりロックな曲だと思います。
歌詞の意味としては、
昔やんちゃだった人に、もうそんな若くないんだから無茶してないで、
人に愛される生き方しなさいよ、と諭す
って感じなのですが、
だれに諭してるのかといえば自分に対してだと僕は考えてます。
「もう若くない」っていうのは、別にまだまだ若いんですけど、
それはだれにでもある、人生の時間がどんどん過ぎてしまう焦り、
社会にもまれて丸くなってしまう自分、
変に大人になっていく自分に対する苛立ち、
そんなものを考えさせる歌なのだと思います。


しかしそれを嘆いてもどうにもならないのが現実であり、
それがこの歌の煮え切らなさであると思います。
ロックの魂を、怒りとかフラストレーションとかだとするならば
この歌はまさにロックであり、そういうフラストレーションを感じるからこそ
この歌を聴いて心が震えるのでしょう。