ソロアーティスト

昨夜はフライアーパークでKAZUYAさんという方のライブを見て来ました。
歌詞も歌い方も雰囲気も大変男らしくて、この人が札幌のミュージシャン達からすごく尊敬されている理由がよく分かりました。

KAZUYAさんは一人でギターを弾きながら歌うといういわゆる弾き語りのスタイル。
それにしても、たった一人でお客さんと向かい合ってライブをやるのはどんな気分なんだろう。
もちろん一人で歌もバッキングもソロも弾かなきゃいけないという技術的な難しさもあると思うし、
MCもチューニングも、さらにいえばお客さんの野次とか喧嘩とか(?)、
まあそういう不確定要素にもたった一人で対応しなきゃいけないというのは、
大変そうだなぁ、と思うのです。
なんとなく一人でステージに立てるようになってはじめて一人前のような気がするのですが、
僕にはまだまだできる気がしません。

そもそも弾き語りのステージングでは、コーラスワークも使えないから単調になりがちだし、
他のメンバーの盛り上がりにのっかるようなグルーヴも出せない。
でも、その分ノイズが減り、歌に込められたものがむきだしで表現できる。
そのときその場所で、その人だけにしか歌えない歌というのは確かにあると思うのです。

僕がいままで見たステージで一番感動した歌を歌ったのは、
実はポール・マッカートニーさんでもエリック・クラプトンさんでもありません。
数年前の札幌ブルーグラスフェスティバルの2日目の朝、一人でマンドリンを持って登場してきたおじさん。
失礼な話だけど、どういう方なのかよくわかりません。サークルのずっと上の先輩だったような気もします。
その人が弾き語りした「ケンタッキーワルツ」は本当に今でも忘れられません。
演奏は本当にひどかった(失礼)。蚊の泣くような声で歌っていたし(本当に失礼)。
でも最高に感動しました。
その人は会社をリストラされていたそうで、若いころに練習したこの曲を歌ったそうです。
まさにあの日のあの時あの場所で、あの曲を一番表現できたのはあの人だけだったでしょう。
バンドで演奏していたら感動は薄れていたに違いないのです。

そんなこともあり、僕もいつかはソロでやってみたいなぁとは思いますが、まだまだ練習と人生経験をつんでからにしようと思うのでした。